近年のデジタル携帯機器の著しい発達は、あらゆる場所であらゆる物がネットワークにつながるユビキタス社会の到来を現実のものにしようとしています。ネットワークの対象も、家電や自動車など今までネットワークを持たなかった物にまで広がっています。こうした中、ネットワークでつながった多数のセンサが人・物の状況や周辺環境を自動的に認識し、様々な応用を実現するセンサネットワーク技術が注目されています。

センサとは、測定対象の状態把握や制御のために、必要な物理量や化学量を抽出し、信号処理などに都合の良い電気量に変換するためのデバイスです。センサの種類には熱・温度・光・加速度などの一般感知センサから、人の体温・血圧・脈拍などを計る五感センサ、特定の薬品や化学物質・反応を感知するセンサなど多種多様なものが存在します。そうした各種のセンサ群をネットワーク化し、その間で協調動作しながら効果的に機能させたものがセンサネットワークです．センサネットワークで実現できるアプリケーションとしては、農作物育成最適化や環境モニタリング、交通制御やホームセキュリティなどが考えられています。